外壁塗装 横浜曽根塗装店

塗料の黙示録(塗料の比較テスト) 比較試験による塗料性能解明の試み

第2章:水性シリコン樹脂塗料
【3】仕上りの評価


日常の塗替え工事現場では,全く同一の条件で同じ色の別の塗料を塗り比べる機会などありませんので,
屋根に設置する前に仕上りを比較してみました。

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■ 2003.05.05

板の裏側に塗料の名前を書いて,付けてあった名札を外します。

塗り板の裏側に塗料名を書く

 

「水性シリコン樹脂塗料」を単独で塗った7枚を見比べて,艶の良い(光沢のある)順番に並べました。

仕上りのツヤが良い順に並べる

 

マスキングテープを貼って,最も艶の良いものから順にA〜Gと書いておきます。
写真ではちょっとわかりづらいですが,AとGの艶の違いです。

塗料によるツヤの違い

また,肌の違いもチェック。
水性塗料はローラーで塗付すると,左側の塗料のようにシワシワの模様が生じるのが普通ですが,
右側の塗料はカタログ通りの希釈でも粘度が低いためか,平滑性が高いです。

塗料による肌の違い

 

汚れを付きにくくするためのメカニズムとして「親水性」という言葉がよく使われます。
詳しいことは「Yahoo!」や「Google」で検索していただければ,塗料メーカーの解説ページや,
塗料メーカーのカタログ・パンフレットをそのままコピーして載せている施工業者のページが
腐るほど出てきますので,そちらを参照していただくとして,要するに,
“水をはじく”よりも“水と馴染みの良い”塗膜の方が汚れが付きにくい
のだそうです。

普通に考えると,ワックスを掛けたばかりの車のように,水をかけたらコロコロと玉になって落ちる方が
汚れも付きにくいように思うのですが,実は,その場合,油性の汚れが落ちにくいのだそうです。

反対に,水をかけると表面にじと〜っと広がってずりずりと落ちてゆく「親水性」の場合は,
水が掛かると,塗膜と油性の汚れの間に水が割り込めるので落ちる,ということのようです。

塗膜の「親水性」を知る目安としては,水を落とした時に,塗膜表面と水玉とが接する角度=「接触角」を
測定する方法がとられているようですが,塗料メーカーでも研究所でもなく,単なる零細塗装店の当店には
そのような測定機材はありません。

そこで,原始的ですが,塗面に水を乗せて揺らし,揺らした直後の水の挙動を観察しました。
しかし,写真ではその挙動の差異が撮れません。

塗り板に水を乗せる

 

そこで,水を乗せてすぐに板を立てて写真を撮りました。

水を乗せてすぐ立てた塗り板

 

この板は左右で別々の塗料が塗ってあります。
よ〜く見ていただくと,左半分は水が玉状になっているのに対して,右半分は水が膜状になっている部分が
あるのが確認できると思います。

水の流れ方の違い

 

以上,【艶】,【塗り肌】,【水はじき(親水性)】のほか,指でこすった時の【粘着感】を比較して
表にまとめました。(仕上りの翌日の状態です)

 ※ A〜Eは微差,Fは70%の艶,Gは50%の艶
塗り肌
 
 
 
 
 
 ※ 平滑性が良いのはGとF,それ以外は大差無く「シワシワ」
水はじき
狭まる傾向
狭まる傾向
狭まる傾向
広がる傾向
狭まる傾向
広がる傾向
広がる傾向

 ※ 塗り板に水を乗せて揺らした直後の挙動

粘着感
 ※ Fはサラサラ,Gはベタつく感じ

塗料業界では『OEM』が結構多いらしく,大手塗料メーカーの場合,10社以上の下請塗料メーカーを
従えているそうで,実際,メーカー名とは異なる製造元社名が缶に記載されていることがあります。

なので,私がテストした7種類の中にも,メーカーは違っても同じ塗料があるのではないか,と予想して
いましたが,比較した結果からすると同じものはないようです。

 


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