外壁塗装 横浜曽根塗装店

DIY外壁塗装 DIYで外壁塗装を目指す会社員Mさんと塗装店店主 静岡⇔横浜 書簡集

[055]2005.12.26(月)02:09

 subject: ちょっとバタバタして,返信が遅れ,すみません。

 


M様

> 施主もそれなりの考えがあって、
> 曽根塗装店に、今回の塗装の依頼が来たのだなと...思いましたね。

性善説にもとづけば,地域密着というのは業者にとっても施主さんにとっても
ロスがなく理想的なのですが,世の中,そうはいかないわけです。
地元密着の塗装屋に頼んで大失敗という例は珍しくありませんし,
業者側の立場から忌憚なく申し上げてしまうと“イタイ施主”というケースも...(^o^;)

あらゆる施主さんに適合する“努力”や“工夫”を惜しまないことも業者としての使命
かもしれませんが,限度がありますよね。
塗装工事は過剰な“努力”や“工夫”が人命に関わることはありませんけれども,
私はそういう点であまり器用じゃないので(笑)要するに相性の問題ではないか?と。
そう考えると,もっとも近いところにベストなパートナーが存在するとは限らないのであります。

> ちょとデジカメ不調により、画像が無いです><;

私のは工事現場用防塵耐水のカメラなので平気ですけど,
普通のデジカメは,特にケレンの粉塵に弱いらしいです。
書くのが遅かったですが,御注意ください。

> ブリキ部分に錆止めを、ペタペタ
> (まさに、ブリガリヤヨーグルト)を...「これ塗りにきー」(塗りにくいの意)

錆止塗料にも色々種類があって,戸建住宅の塗り替え工事の場合,

●一般錆止塗料(JIS K 5621) ←安物

●シアナミド鉛錆止塗料(JIS K 5625) ←ほぼスタンダード

●弱溶剤1液形エポキシ錆止塗料 ↑と実質あまり変わらない

のあたりが普通でしょう。
弱溶剤2液形エポキシ錆止塗料「エポックマイルド#2000」はそれよりも上のクラスで,
グレードが高い錆止塗料ほど作業性よりも膜厚=耐久性重視,“厚く塗れる”ように出来てます。

その味付けは“キレイに仕上げられる”とは相反するため,雨戸に塗るとしたら結構キビシイです。
美粧か?機能か?→美粧をとるなら,(試しながら最低限で)多めに延ばしてください。

それと,寒い時期は乾燥が遅く,流れやすいので注意,
波形トタンの雨戸の場合,横倒しにして塗った方が少々流れても目立ちにくいです。

> ◎エポックマイルド ← これかなり良さそうな、錆止めですね
> これ塗ったあと、色だけ気にしなければ塗りっぱなしでもOKですか?
> 上塗りなしで、グレー色でよければ物置などそのまま塗ろうかな?と考え中なので

ダメです。
「上塗りしなくてもOKな錆止塗料」や「錆止機能のある上塗塗料」もあるにはありますが,
一般に,「錆止塗料はあくまでも下塗塗料」なので,耐候性がありません。

また,基本的にエポキシ樹脂は紫外線に弱いので,
『エポキシの錆止塗料を使うなら上塗は必ず2回』
って,塗料メーカーの人から聞いたことがあります。

ここで,あえて脱線します。
まず,下の(施工前の)写真を見てください。

3階建ヘーベルハウス

 

高圧洗浄したときに,照明器具の上に13年分のホコリが積もってたので,それもついでに
圧を落として洗ったところ↓ なんと,黒い帯がべらべらと剥げてしまいました (>_<)

通路の照明器具

 

艶消の白色ガラスのカバーに帯状に黒く塗装してあったのです。
このままにするわけにはいかないので,皮スキで剥がせるだけ剥がして,
ガラスに上塗塗料を密着させるため,はじめに白の下塗塗料を塗付↓

照明ガラスカバー下塗

 

それから,黒の上塗塗料を塗りました↓

照明ガラスカバー上塗1回

これで↑バッチリだと思いますよね?

ところが,夕方,暗くなってセンサーで自動的に電気が灯くとスケスケ↓

上塗1回での点灯時

 

で,その後,電気の光がまったくスケなくなるまで,+2回黒を塗りました↓

上塗3回での点灯時

以上の脱線から何が言いたいのかというと,単なる見た目だけで良しとする場合は別として,
塗装の対象物を塗料の膜で保護するという意味での「塗装」を心掛けるならば
上塗1回では本当に塗ったとは言い難いということです。
(新聞紙は70ミクロン=0.07ミリ,上塗塗料1回塗りの塗膜はそれよりもはるかに薄いです)

そういうわけで,付着力が強くても紫外線には弱いエポキシ錆止塗料のあと,
耐候性の良い上塗塗料を2回塗るのがベストです。

> ◎木部にカラーステンレスを取り付ける場合でも、SDキング改仕様の同じ塗り方して
> 貼り付けた方がいいでしょうか?

ステンレスで包む場合,包む前に木部を塗ってはいけないということはありませんが,
木部を露出させる場合と同様に塗装する必要はないです。

まだケレンしていなくてあまり傷んでいない旧塗膜が残っているところはそのまま,
皮スキとサンドペーパーでケレンしただけで木地が露出してしまうところ,
ベルトサンダーでのケレンで木地を露出させたところには,防腐のため,
「キシラデコール」を塗ればベターでしょう。
(カラーベストのトタンの内側の木材に塗った「キシラデコール」がまだ余ってますよね?)

それと,念のため書いておきますが,「カラーステンレス」は工場塗装済のステンレスです。
10年くらいで色褪せてくると思いますが,それまでは塗る必要はありません。
何色か設定されているはずですから,お好みのものを選べばOKです。
プロ(ブリキ屋=建築板金業≒屋根工事業)に依頼する場合,
接合部にコーキング(シーリング)を使用するときは「シリコン」ではなく
「変成シリコン」を指定してください。(後年塗装するときに非常に厄介ですから)

> 年内は休まず営業(塗装)する予定です

Mさん,実はかなりお疲れではありませんか?
たまには,ゆっくり休んでください。

曽根塗装店の現場はすでに年内終了,残りの1週間は工期に追われる他店に手伝いに行ったり,
年賀状を書いたり,見積書を作ったり,忘年会をやったり,そんな感じです。

それでは,またの御報告,楽しみにしています。

[055]2005.12.26(月)02:09


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