外壁塗装 横浜曽根塗装店

実録塗替え物語 サイディング外壁塗装 塗替え工事の写真日記

[20]2001.05.13 休み


● この日,私はアメリカからの依頼で見積に出かけました。
  とはいっても,アメリカに行ったわけではありません。
  アメリカに転勤中の方から,横浜市にある御自宅の見積依頼のメールをいただいた
  のです。

  見積りは建物の現況や立地を確認するだけではなく,施主様の御要望を伺ったり,
  どのような仕様が妥当かを御説明したりすることも大切ですから,ただ単に
  見積り金額だけ提示しても無意味に等しいと私は思います。

  そこで,この日は見積りの際にバチバチ写真を撮って帰宅,その後,現状報告書と,
  通常は対面してお話する説明,それに見積書そのものをすべてWEBページにして,
  アメリカにいらっしゃる施主様に見ていただくことにしました。
  初めての試みだったので,全26ページの“WEB見積”完成まで3週間も
  かかりました。(@o@;)
  (ちなみにこの件は受注し,無事完了しました。LAのO様,お元気ですか?)

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● それから,丁度この頃,東京都八王子市の飯塚塗装店の社長 飯塚昇次郎さんから
  お電話があり,たいへん興味深いお話だったので,以下“休日ネタ”にします。

  電話がかかってきたのは夜8時頃だったと思います。
  飯塚さんは挨拶もそこそこに,イキナリ質問してきました。

  飯塚さん:キレイにペンキを塗るとはどういうことだと思いますか?

  私:塗る物は何ですか?

  飯塚さん:いや,そういうことじゃないんです。
       曽根さんにとって「キレイにペンキを塗る」というのは
       どういうことなのか,それを聞きたいんです。

  私:う〜ん...(10秒沈黙)...難しい質問ですね,それは...

  このあと,1時間くらいお話したでしょうか。
  その後も,いろいろ考えました。

  答えは人それぞれというかペンキ屋それぞれだと思います。
  飯塚さんの答えは,御自身のHPの今後のテーマだそうですから,
  ここでは触れませんが,私なりに考えたことを記したいと思います。

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  今年の2月に,築25年のお家の塗り替え工事をしました。
  HPからの御依頼で施工させていただくことになったお家で,当店がお伺いする
  のは初めてでしたが,過去に2回ほど外壁塗装が行われていました。
  S様のお家と同様,雨戸を収納する戸袋が無いタイプのお家で,雨戸を開けると
  壁が塗れず,雨戸を閉め切っても壁との重なりが10センチほどあって,やはり,
  塗装できない部分が生じます。
  当店ではこういう場合には雨戸を取り外して養生し,壁を塗り終わってからまた
  取り付けますので,この時も外しました。
  すると,その重なりの部分が新築時の塗装のままなのです。↓
  (下の写真は雨戸を1枚取り外して養生したところで,マウスポインタを乗せると
  丸で囲った部分のアップに変わります。)

 

塗り残された雨戸の陰の部分

 

  要するに,当店以前に工事を行った塗装業者は過去2社とも雨戸を取り外さないで
  外壁の塗り替えをしていたわけです。
  雨戸を外さないと分かりにくい部分なので,よほど注意深い施主さんでなければ
  気が付きませんし,塗り替えの時にこの部分の塗装を省略したせいで建物に
  重大なダメージが及んでいるわけでもありません。

  ここで問題です。

  自分の家だったらどうしてもらいたいですか?

  【1】雨戸を外して壁を塗ってもらいたい

  【2】そのまま見えるところだけ塗ってオシマイでも構わない

  単純に考えれば,「キレイにペンキを塗る」とは,イコール「キチンとした仕事」を
  することだと私は思います。
  「そのまま見えるところだけ塗ってオシマイ」にしてしまうことは「キチンとした
  仕事」ではないと思いますので,私は迷わず【1】を選択しています。
  しかし,脱着作業の対価は施主さんが負担することになり,工期が延びる原因にも
  なりますから,【2】と答える施主さんにとっては雨戸の脱着は無駄な作業でしか
  ありません。

  つまり,私が「キレイにペンキを塗る」ためには,私のみの判断で「キチンとした
  仕事をする」だけではダメで,私と同じ判断をする施主さんが必要なのです。
  何事も,相手があって行われることは,合意が大切ですよね。
  ズレがあるままにお付き合いをするのは,お互いにとって好ましいことでは
  ありませんし,トラブルの原因になりかねないでしょう。

  こうするか/ああするか,この位にしておくか/もっとやるか...
  塗装工事の現場には書類に表せない選択・差異がたくさんあり,この雨戸の件は
  ほんの一例にしかすぎません。
  「塗装工事」というものに対する認識に,日々職業として関わっている私と,
  施主さんとの間でズレがあるのは当然のことですが,そのズレを埋める作業が
  見積りであり,大袈裟にいえば 私のHPの最大のテーマでもあります。

  というわけで,キレイにペンキを塗るとはどういうことだと思いますか?という
  問いへの私の答えは,塗装を通じて私と施主さんが共感することです。

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● 以上,このページの文章に10時間もかかってしまいましたが,物語の最終回まで
  あと2回!

 

 

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