外壁塗装 塗替え 神奈川 横浜曽根塗装店

塗替え Q&A外壁塗装・塗替え・建築塗装の質問と回答

●素材別・部位別の注意点とそのポイント


サイディング塗替え
(窯業系サイディング,
タイル調サイディング,金属サイディング)

■ 窯業系サイディング

窯業系サイディングは塗り替えの必要が無い,と思っていらっしゃる方がおられるようですので,
塗り替えずに放置するとどうなるか?まずは下の動画「サイディングの寿命」をごらんください。

現在主流の窯業系=セメント系のサイディングには,工場塗装済みのものと,新築時に現場塗装で
仕上げるための「無塗装板」とよばれるものがあります。
工場塗装のものは近年塗装の質をグレードアップしたものが出てきているようですが,多くのものは
あまり高耐久ではない塗装が施されているようです。
「無塗装板」の現場塗装でも新築時に特に塗料を指定されない限りは安価な仕様が主流でしょう。

近年は「無機塗装」とよばれる特殊な処理が施してあるため,塗り替えができない(塗っても剥がれる)
サイディングも存在しますが,それ以外のサイディングの場合は,おおむね
新築後7年程度でのメンテナンスが望ましいと思います。

ここで「塗り替え」と書かずに「メンテナンス」という言葉を使うのは,継目にゴム状の素材
「コーキング」(シーリング)が充填されている場合,これが塗装よりも先に露骨に劣化してしまう
ことが多いからです。

「コーキング」は,

(1) 痩せてくる

(2) ひび割れが生じる

 ひび割れているコーキング

(3) 裂ける,または,サイディングの断面から剥がれる

 裂けているコーキング

という経過を辿り,5年程度で裂けてしまうケースも珍しくありません。
(すぐ上の写真は築5年です)
この,コーキングをどの程度補修するかで工事費用がぜんぜん違います。

下の図は窯業系サイディング外壁の断面図です。
下地の上に「防水シート」が張られ,サイディングの継目がくるところに「ドウブチ」とよばれる
木材が取り付けられ,そこに「ハットジョイナー」(ハット型ジョイナー)というプラスチック製,
または,金属製の部品が取り付けられ,その凸部を挟むようにサイディングボードが張られます。
「ハットジョイナー」の上部にはコーキングが接着しないように絶縁材として「ボンドブレーカー」
(ボンドブレイカー)といわれるテープが入っているのが普通です。

 サイディング外壁の断面図

「ハットジョイナー」が無い場合には,下の図のように「バックアップ材」といわれるスポンジの
ようなものが装填されており,これにもコーキングが接着しません。

 サイディング外壁の断面図

サイディング同士の継目の場合,コーキングは左右両面のみに接着して突き当たり面には
接着させない「2面接着」がセオリーで,突き当たり面にも接着させてしまう「3面接着」だと
コーキングが破断しやすいのだそうです。

既存のコーキングを撤去する場合,「ボンドブレーカー」「バックアップ材」が損傷してしまうことが
多いため,たいていはこれも交換になります。

サイディングの下には防水シートが張ってあるので,(防水シートがきちんと張ってあれば)
コーキングの裂け目から雨水が入っても即座に雨漏りに直結するわけではありませんけれども,
「雨の時には常に濡れる」ことが想定されていない部分が濡れることは事実ですから,コーキングが
裂けてしまったら そのまま放置する時間は短い方がよいと思います。

軽度の傷みであれば,「増し打ち」(あるいは「打ち増し」)といって,既存コーキングを撤去せずに
上から重ねて充填する方法をとることもありますが,傷みがひどい場合は,
既存のコーキングを撤去してやり直す「打ち替え」を行うことが望ましいです。
「増し打ち」か「打ち替え」か,については,下記ページをご参照ください。
( クリックすると新しいウィンドウで開きます)

塗替えQ&A/Q.13/サイディングの塗替え時にコーキングはやり直しをすべきか?」

また,実際の「打ち替え」の作業手順については,下記ページをご覧ください。
( クリックすると新しいウィンドウで開きます)

「DIY外壁塗装/付録:コーキング(シーリング)のやり方」

ついでに,下記は当店でのサイディングの住宅の外壁塗装の工事記録です。
( クリックすると新しいウィンドウで開きます)

「実録塗替物語」木造サイディング3階建住宅 外壁塗装工事

新築時に現場で「吹付タイル」などで厚めに塗装されている場合にはコーキングが塗膜によって保護
されているので,コーキングが剥き出しにされている場合よりも もちがよいです。
その代わり,塗装によって模様を付け加えられている場合は,塗替えの際にコーキングを補修すると
その部分の模様が無くなってしまいます。

建物に歪みが生じたり振動が加わった場合,【1枚の板のようになっているモルタル外壁】は
縦横斜めランダムにひび割れが入りますが,【複数の板を張り継いであるサイディング外壁】は,
ランダムにひび割れが生じる代わりに継目の柔らかいコーキング部分が動きます。
従って,言い換えれば,「サイディング外壁のコーキング部分は動くように出来ている」わけで,
塗り替えた後にコーキングの上の塗膜が割れることがありますが,これは宿命的なことなので,
仕方がありません。

コーキングの上の塗膜が割れてもコーキング自体が割れなければ実用上は問題ないです。

コーキングをやり直した後に塗装する「先打ち」ではなく,塗装後にコーキングをやり直す「後打ち」
を推奨する塗料メーカーもありますが,あれこれ考えると現実的ではないと思います。
また,コーキングの上の塗膜が割れることを避けるためだけに弾力性のある分厚い塗装を行うことも
やはり現実的ではないと思います。
(塗替えにあたって「単層弾性塗料」というサイディングに適さない塗料を使用したために塗膜が
膨れるトラブルが多発しているらしいです)

コーキングの補修に,塗料をはじく「シリコン」のコーキングが使用されてしまう場合が
ままありますが,シリコン成分による汚染を生じるばかりか,塗装する際に重大な支障が生じる
ため厳禁です。

サイディングに適したコーキング材・コーキングの種類については下記をご覧ください。
( クリックすると新しいウィンドウで開きます)

「外壁塗装の工程」木造モルタル・サイディング2階建住宅屋根・外壁塗装工事/4ページ目

ちなみに,本来は「シーリング材」の一種が「コーキング材」なのですが,一般には同義的に
使われています。
また,「シリコン」も「シリコーン」というのが正しいのかもしれませんが,「シリコン」と
よばれることの方が多いようです。

サイディングを横に張るのではなく,縦に張ればコーキングの部分が減るのですが,
神奈川・東京では横張りが圧倒的に主流です。
また,釘打ちではなく,金具で止めて継目にはコーキングしない施工方法もあるようです。

コーキングの他に,窯業系(セメント系)のサイディングに関してよく尋ねられるのは
「反り」と「割れ」についてです。

「反り」はサイディングが吸水して起こることもありますが,下地が初めから直線でないために
生じていることの方が多いのではないかと思います。

以前に大工さんから聞いた話では,すごく丁寧なサイディング業者は,サイディングを張る時に
下地との間に薄い板をかませて定規を当てて調整しながら張るそうです。

吸水によって反ってしまった場合,ビスなどで無理矢理押さえ付けると割れてしまうことがあるそう
ですので,理想としては張り替えです。

それから,「割れ」は建物の歪みで起こるものと思いますが,私が見てきた例では,あまりに端部に
釘が打たれたために割れていた例がほとんどです。

下の写真をご覧ください。

 サイディングの割れ

右側の丸いものは「1円玉」で,直径は2センチちょうどです。
釘は端から1センチくらいのところに打たれているわけで,窯業系サイディングは硬いですから,
これではちょっと建物が歪んだら割れてしまうのは当たり前です。
サイディングのメーカーでは「釘打ちは端部から20ミリ以上離れたところに」という指定を
行っているらしいですが,私が見てきた限り,20ミリ以内に釘が打たれていることは珍しくない
というか「ごく普通」です。

もう1枚,ご覧ください。
割れた部分を撤去したところです。

 サイディングの割れ

サイディングの端部からわずか5ミリほどのところに釘が打たれて割れていますが,そもそも,
下地の板「ドウブチ」がサイディングの端部から15ミリ程度のところまでしかないです。
つまり,20ミリ以上のところに釘を打ちたくても打てないわけです。
「ドウブチ」がサイディングの継目からズレているためなのか,それとも
元から幅の狭い「ドウブチ」が使われているためなのか わかりませんが,
要するに,サイディングのこのような割れは,新築時の“施工精度”が原因です。

窯業系(セメント系)サイディングは厚さがいろいろあり,もっとも薄いものは12ミリです。
厚いものは断面に「レンコン」のような空気層があり,反りにくいと思われます。
下の写真は18ミリのサイディングです。

 厚さ18ミリのサイディング

 

■ タイル調サイディング

タイル風(タイル調)のサイディングを塗替える場合1色で塗り潰してしまうと
「タイル調」ではなくなってしまいますので,2色で塗り分ける方法もあります。

下の写真は,下塗+上塗2回=合計3回塗りして全面をタイル目地(風の凹み)の色で塗り潰した後,
ベルベットのように毛が短い「短毛ローラー」でタイル面(風の凸部)を塗っているところです。

 タイル調サイディングの塗り替え

1工程増えるだけでなく,窓の周りや天井面との境目など,ローラーでは塗れない部分は
“筆で描く”ことになるため,かなり手間がかかりますが,これが従来からある もっとも
一般的な方法です。

★曽根塗装店ビデオクリップ第二弾「タイル調サイディング 2色塗り分けの塗替え」


2色のタイル風のサイディングのほか,最近は,ブリックタイル風や石積み風の,2色でない
印刷に近いサイディングがあり,塗替えの際の塗り分けは事実上不可能なため,
最近,そのようなサイディングの塗替え用としてのクリア塗料(透明塗料)が出てきました。
但し,透明の塗料なので,日焼けしたり,汚れが染み付いたり,色が褪せたりしてからでは
手遅れで,使えません。(築後5年くらいまでが限度ではないかと思います)

 

■ ラップサイディング

窯業系サイディングの一種に「ラップサイディング」といって,上下の板が重なっているタイプの
サイディングの場合には,通常,継目のコーキングはありません。
が,窓の廻りや軒裏との境目にはコーキングされていることが多いので,切れたり剥がれたりして
いれば補修した方がよいです。
(下の写真はラップサイディングのお家の窓廻りのコーキングをやり直しているところです)

 ラップサイディング

 

■ 金属サイディング

金属サイディングには,ガルバリウム鋼板やアルミなど錆びにくいものもありますが,
汚れと無縁ではありえず,塗装が施されている以上は,その劣化が美観を損なうため
(見た目を全く気にしない場合は別ですが)いずれは塗替えを行うことになるでしょう。

下の写真は張ってから13年目のアルミサイディングの塗替え例です。
(以下2枚,マウスポインタを乗せると塗り替えた後の写真に変わります)

 アルミサイディングの塗り替え例

 

 アルミサイディングの塗り替え例アップ

(「ピカピカ光っているのは嫌だ」という場合は,ツヤの少ない塗装も可能です。念のため。)

カラー鋼板のサイディングの場合はいずれ錆びてきますので,トタンに準じた塗替えが必要です。

金属サイディングの継目には断面が「エ」の字形の金物が使用されているため,通常,コーキングは
ありませんが,窓の廻りなどにはコーキングされていることがあります。

金属サイディングについては下記にも記載しましたのでご覧ください。
( クリックすると新しいウィンドウで開きます)

塗替えQ&A/Q.14/金属サイディングはメンテナンス不要か?」


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